効果的に聴くコツ（２）

同質の原理　「暗い気分のときには、暗い曲を聴こう。」

自分が落ち込んでいてマイナスの気分のときに、積極的なイメージの曲を聴くと拒絶反応を起こし、ストレスを感じ、逆効果になります。絶望的な気分でいるときにガッツだぜ！は聞けません。そもそも、明るい曲やアップテンポの曲を心が受け付けないはずです。そのときの気分・感情・テンションにぴったり合う音楽を聴くことで、精神的な回復を図る音楽療法の原理が、「同質の原理」です。

例えば、失恋したり喧嘩したりしたときは、失恋した女の気持ちがこもった歌詞が満載の悲しい曲を聴いて、悲しい自分に酔うことがよく行われています。これは、誰かに言われなくても自然にやってしまう行動で、実はこれが大正解。失恋の歌を聴くことで、 歌詞に自分の気持ちを代弁してもらえる。そして安心感を覚え、心の傷を早く回復させる効果があるのです。なんとなく皆がやってることですから、教えてもらわなくても経験的にそうすべきであると知っているのはすごいですね。一見、明るいアップテンポな曲を聴いた方がいいと考えてしまうのだけど、ちがうんですね。これは心理学で「同質の原理」として説明されています。

今、同質の原理を知ったあなたは、これを上手に使いこなすことを考えてください。いつまでも暗く悲しい曲を聴いていてはだめですよ。音楽セラピーで回復することが目的です。暗い曲を1時間くらい聞けばかなりリラックスできるはずです。少し落ち着いたトーンの曲も混ぜていく。徐々に明るい曲も増やしていく。このようにして回復させていきましょう。市販のヒーリングミュージックのCDアルバムには、原理を全面的に採用しているものがあります。1枚のアルバムを聴き終わるころには、圧倒的な回復をするすごい効果を出せるものもあります。暗い曲を聴き続けているとその状態から抜けだせなくなりかねません。悲しい思いをした時ははじめに自分の気持ちを 代弁してくれるような音楽を聴き、それから徐々に自分がなりたい気分の音楽へと変えていく。これが最大のポイントです。


オススメヒーリングミュージック
「薬奏シリーズ」が、テーマ毎にわかれていて使い安くオススメです
例1　「憂うつ解消」　→　「行動力強化」
例2　「不安解消」　→　「安眠」　→　「精神安定」


鬱病を克服した友人に聞きました。鬱のときは、「がんばって」とか「元気をだして」とかの善意の励ましでさえ重く苦しいそうです。また、阪神淡路大震災の被災者らも、頑張れといわれてどうしろというのだと逆に絶望を感じたともききます。また、近親者に不幸があったときには、どのような言葉も心が受け付けないものです。絶望に際しては、励ましの言葉よりも一緒に嘆き悲しんでくれる人がいればそれが精神的安堵につながったりします。同質の原理は精神状態一般に当てはまることだと考えられます。

同質の原理で音楽セラピーをする場合は、歌詞が分からないものや、演奏だけものがオススメです。その時の感情にぴったりの歌詞の曲というのが、多く存在しているわけじゃないですから。（失恋ソングは例外で、曲自体もたくさんあるので共感できることも多いでしょう。）

市販のヒーリングミュージックのCDにはクラシックが多いのですが、あなたがクラシックを好きでないならあえて挑戦しなくてもよいでしょう。好きでもないクラシックを聴いても癒し効果は期待できません。拒絶反応によってストレスを感じたら逆効果です。洋楽、邦楽、Jpop、好きな曲を聴いて元気になるのが第一です。スローテンポかアップテンポかを自分で考えて上手に組み合わせればOKです。